共感から共観へ
少し日が経ってしまいましたが、9/2(土)に令和5年度の秋期社員総会を開催しました。
社員総会は当社の運営するといろきっず保育園(小規模保育園)、CYS school(児童発達支援)、といろキッチン(給食室)、法人本部の全職員を参加対象として毎年2回行なっている社内イベントです。
今回は「共観」をテーマに、私からは経営計画の進捗・アップデート報告に加えて、各事業部のマネージャーより事業方針についてのプレゼンを行いました。
共感から、「共観」。
これは当社の経営方針そのものであり、大事な2つの意味を込めたものです。
❶価値観の共有
一つ目は、子ども観・仕事観・大切にしたい観点といった「価値観」の部分を共有する、という意味です。
私たち十色舎では、何年も前から”共感者採用”にこだわってきました。
小規模保育も児童発達支援も、配置基準や加算、認可・指定申請上で有資格者が必要です。
ですが、急募状況の時も、新規開所を控えた時期も、当社の採用基準は今現場で活躍してくれている先生たち一人ひとりの「志望動機」にあります。これを妥協して人手確保を優先したことがありません。
なぜなら、当社はただビジネスとして保育園・児童発達支援を運営しているわけではないからです。
「子どもの利益を最優先できる社会へ」というビジョンのもと、それを実現するための事業として、「十人十育」を理念に掲げたといろきっず保育園とCYS schoolを運営しています。
- 園児一人ひとりに、もっと丁寧に向き合える保育がしたい
- 「子どものペースに私たち大人が合わせる」という考え方に共感した
- 加配担当として関わったあの子に、もっと専門的な支援がしてあげられたのではないか
- 保育型の療育というのを知って、まさにこれだと思った
- おいしいご飯をつくって子どもたちに笑顔になってもらいたい!
こうした子どもにかける想い、保育経験の葛藤、使命感といったものを、十人十育という理念のもとで共有できる人を招き入れてチームを作ってきました。
そのため、当社では保育観の違いや人間関係がどうこうといった離職がありません。
職員にとっても安心して「子ども主体」の保育にのめり込める職場であることは組織として胸を張れる文化になりました。
こうして社員総会や全体研修で一同が会して保育・療育・食育への想いを語らうたびに、「十人十育」をキーワードに共感でつながった、やさしくて力強い組織に成長できたと実感します。
❷ビジョンの共有
二つ目は、「ビジョンを共にする」ことです。
十色舎は会社なので、組織です。
組織なので役割がそれぞれにあり、取り組む目の前の仕事は当然ポジションごとに異なります。
私は経営者なので立場的には偉そうですが、実際、人として偉いはずありません。あくまでも組織の中の、代表者・社長という「機能」を果たすミッションに邁進する。そんな感覚でいます。
しかし一方で、保育現場で起きている気苦労や課題感を同じように理解することは難しいかもしれません。それは、私が社長として責任を負って見ている視点が現場の視座とは異なることと、何ら変わりません。
ですが、「会社とはそういうものだ」で終わらせられないのです。
保育、療育、食育という仕事はチームで行うものであり、子どもたち一人ひとりの成長や保護者様の願いに直接触れる、「気持ち」に「気持ち」で応えるものだからです。
こればかりは数字やマニュアルで答え合わせができません。個人の想いが組織の想いと一貫してつながっている必要があります。
そうでなければ、決して「良い保育」「質の高い保育」「子どもにとって・ご家族にとっての最善の利益」を目指すことなど絶対にできません。
だからこそ、私たちは法人・事業・職員個々人が同じ価値観を共有するだけでなく、同じ方向を観ることも共有できていなければなりません。
同じ感覚で子どもたちを観て、同じ方向を観て、楽しく仕事ができる組織であれるよう今後もこのような文化を大切にしていきたいと思います。